パリレンコーティングはすぐれた物理特性、化学安定性をもつパラキシリレン樹脂を
コンフォーマル・コーティングする技術です。常温・真空中に反応性に富むモノマー
ガスを導入し、ガスが物体表面に接したところで重合してポリマー膜を形成するという
独特のメカニズムによるため、形状いかんにかかわらず均一なピンホールフリーの
薄膜が形成できます。このようにしてできたコーティング膜は極薄ながら高い耐水性、
耐薬品性、ガス不透過性、電気絶縁性、耐熱性をもち、ほとんどの点で他の有機
コーティングより優れたバリア性を示します。
パリレンコーティング技術は第2次大戦後まもなく、一人の化学者がベンゼン環をもつ
化合物を熱分解する実験の最中、排気用のガラス管内に有機物が薄膜となって沈着
するのを偶然発見したことから始まります。この技術はその後いろいろな大学や企業が
研究を行ない、現在のパリレン・プロセスはユニオン・カーバイド社が開発したものが
基本になっています。1971年にはNova Tran社が設立され、ユニオン・カーバイド社の
技術の実用化を始めました。Nova Tran社は新しい市場を開拓しながら順調に成長を
続け、1991年にはコーティング材料、コーティング装置、コーティングサービス各部門を
統合してSpecialty Coating Systems社(SCS社、アメリカ・インディアナポリス)と社名を
変えました。Nova Tran社、SCS社とも大企業傘下の時代を経て2006年には大企業
傘下から離れ、独立したSCS社として世界規模でコーティングサービスを行なって
おります。
日本パリレン株式会社は1990年代初頭に日本企業との合弁会社として国内でパリレン
コーティングサービスをスタートし、コーティングサービスをメインに、ダイマーや
コーティング装置の販売等の事業を展開してまいりました。2007年9月にはSCSの
グローバルネットワークをさらに強化するため合弁を解消し、SCS社の100%子会社と
なりました。日本ではNova Tran / SCSの35年以上にわたって蓄積したノウハウと
ネットワークを生かし、さらに高いレベルのサービスを提供してまいります。